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顎関節症とは
顎関節症は、顎の関節やその周囲の筋肉に痛みや違和感が生じる症状の総称です。現代社会のストレスや生活習慣の変化により、増加傾向にある症状です。
主な症状
- 顎を開閉する際の痛みや違和感
- 顎からカクカクという音がする
- 口を大きく開けられない
- 頭痛や肩こり
- 耳の痛みやめまい
- 首や肩のこわばり
顎関節症の原因
以下のような要因が複合的に関係していることが多いです:
精神的要因
- ストレスによる歯ぎしりや食いしばり
- 緊張による顎の筋肉の過緊張
身体的要因
- 悪い姿勢(特に首や肩の前傾姿勢)
- 噛み合わせの問題
- 片側だけでの咀嚼習慣
- スマートフォンの長時間使用
顎関節症の左右差が生じる身体的要因
1. 咀嚼習慣による影響
習慣的な片側咀嚼
- 好みの咀嚼側への過度な負担
- 非咀嚼側の筋力低下
- 咀嚼筋の左右バランスの崩れ
- 顎関節への不均等な負荷
2. 姿勢アライメントの影響
頭部・頸部のアライメント
- 首の側屈や回旋のクセ
- 頭部の傾きによる顎関節への不均等な圧力
- スマートフォン使用時の首の傾き
全身のアライメント
- 骨盤の歪みによる脊柱の側弯
- 肩の高さの左右差
- 背骨の捻れ
3. 筋肉の不均衡
咀嚼筋の左右差
- 咬筋の発達度合いの違い
- 側頭筋の緊張度の左右差
- 外側翼突筋・内側翼突筋の機能差
頸部・肩周りの筋肉の不均衡
- 胸鎖乳突筋の緊張差
- 僧帽筋の左右差
- 板状筋の緊張度の違い
4. 歯列・咬合の問題
不均等な咬合
- 歯の欠損や治療痕による咬合の変化
- 歯列矯正による一時的な咬合変化
- 虫歯治療による咬合高径の変化
顎の位置関係
- 下顎のずれ
- 顎関節の可動域の左右差
- 関節円板の位置異常
5. 神経・血管系の影響
神経の圧迫
- 三叉神経への不均等な圧迫
- 顔面神経の機能差
血液循環
- 局所的な血流の違い
- リンパ液の停滞の左右差
これらの要因は単独で、または複合的に作用して左右差を生じさせることがあります。また、一つの要因が他の要因を引き起こす連鎖反応を起こすこともあります。
関連する主な筋肉
- 咬筋(こうきん):頬の外側にある主要な咀嚼筋
- 側頭筋(そくとうきん):こめかみ付近にある咀嚼筋
- 内側翼突筋(ないそくよくとつきん):顎の内側にある筋肉
- 外側翼突筋(がいそくよくとつきん):顎関節の動きに重要な役割を果たす筋肉
- 顎二腹筋(がくにふくきん):顎の下部にある筋肉
わたから鍼灸院での治療アプローチ
局所治療
咀嚼筋への直接的アプローチ
- 咬筋の緊張が強い側への低周波鍼通電治療
- 側頭筋の過緊張部位への刺鍼
- 翼突筋へのトリガーポイント治療
経穴(ツボ)治療
- 下関(げかん):顎関節の痛みに対して
- 頬車(きょうしゃ):咬筋の緊張緩和
- 合谷(ごうこく):顔面部の痛みの緩和
- 太陽穴:側頭部の緊張緩和
遠隔治療
頸部・肩周りへの治療
- 天柱(てんちゅう):後頭部の緊張緩和
- 風池(ふうち):首の付け根の調整
- 肩井(けんせい):肩こりの改善
全身調整
- 足三里(あしさんり):全身の気血の調整
- 三陰交(さんいんこう):自律神経の調整
3. セルフケア指導
- マッサージの方法の指導
- 生活習慣の改善アドバイス
- 姿勢の意識付け
治療期間の目安
症状の程度や原因によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
週に1回の施術で、
- 軽症の場合:1-2ヶ月程度
- 中程度の場合:2-3ヶ月程度
- 重症の場合:3-6ヶ月程度
※症状や生活環境により個人差があります。
予防と日常生活での注意点
- 正しい姿勢を意識する
- 片側だけで噛まないよう注意
- ストレス管理を行う
- 十分な睡眠をとる
- 定期的なセルフケアを行う
早期発見・早期治療が症状の改善に重要です。違和感を感じたら、まずはご相談ください。当院では、一人一人の症状に合わせた丁寧な治療プランをご提案いたします。
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